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ソースはこちら: http://slashdot.jp/story/15/02/04/097232/
この件については、若干ながら僕にも語る資格はあるだろう。
なぜなら、本件ではないけど過去の類似体験者だから。
もちろん、感情的な話ではない。 何が正解かを模索する探求者として書いておきたい。
僕が某外資系IT企業に勤めていた頃、 鳴り物入りで就任した女性経営者がいた。
ルーセントを率いた手腕が買われた、とのことだった。
色々と社内改革に奮闘していたけど、 そういった効果がすぐに現れるかどうかも経営者の手腕なのだろう。
稲盛和夫氏が立て直した JAL に見られるように、 従業員の意識改革が最も大事だ、と僕は考えている。
今から振り返れば、その女性CEOのして来たことはその時点では 道半ば、というところだったようだ。
…メディアが「CEOは数字ばかり見ている。 経営の本質が分かってない。」と非難していた頃だ。 まぁ、この指摘自体はあたっていると思うけど、 メディアは言うだけだから(苦笑)メディアの肩を持つつもりはない(^_^;
ところがその後、あの有名なメガ・マージャ(大合併)を行い、 成功報酬として数十億円?を手にし、その後会社を去った。
結局、彼女のしたことは、規模こそ大きこそすれ、並の経営だったのだろう。 そして、それはとても巨額年収と巨額報奨を持って去っていったに足る 実績とは言えない。
彼女の苦労は分かる。古い組織・古い社内システムを立て直すのは、 普通に考えれば回りが敵だらけの四面楚歌の地獄だ。 au協同創業者の死を乗り越えた稲盛氏だからこそ JAL を立て直せたのであって、 一般人にとても出来ることではない。
そこを突破する原動力こそが、この「動機善なりや、私心なかりしか」なのだ、 と僕は思う。
この言葉は金言だ。
科学が宇宙の秘密を解明していったこの力。
近代医学が発達する前の人類は惨めだった。 何人産んでも次々と疫病で死んでゆき、 なんとか二人残るのが近代までの人類史だった。 死屍累々の人類史の果てに革命を起こしたのが近代医学だった。 この偉大さは何度繰り返しても言い足りないほどだ。
この科学・技術の発展の裏の精神に、僕はこの「動機善なりや、私心なかりしか 」 と通底するものがあると思っている。
クリステンセンの「イノベーションのジレンマ」は今でも名著だと思う。
結局、HP に起こったことは、そういうことだったのだ。
ハイエンドサーバとPCが主力だったHPだけど、 そこに3大潮流(あるいは3大地殻変動)が下から沸き起こってきたのだ。
それを以下にまとめたい:
一言で言えば「安いサーバと無料のソフトウェアとスマホで、 十分ユーザに使いやすい環境を提供できる」と言うところだろうか。
どういうことかは今は詳述しないけど、一点、 ソフトウェアの重要性がますます増してくる、ということだ (これはここのトピックではないのでここまでとしたい)。
さて、今から振り返れば、これらの台頭は当たり前のように思え、 結果論で「なぜHPはこれらをキャッチアップできなかったのか」 と言いたい人が多いだろうけれど、そのレベルの議論は既に終わっている(笑)。
「イノベーションのジレンマ」の中に、すべて言い尽くされているからだ。
HPはこれら地殻変動に完全に乗り遅れてしまった。
…空中分解していくギガントから脱出するにせよ残って苦労を共にするにせよ、 社員ひとりひとりの生活のかかった10万人のドラマが進行するのだ (もちろん、傍観者として笑っている立場に僕はないし、 そんな視点の文章は僕は書くつもりはない 最初にも書いたけれど、僕も当事者の一人なのだ)。
上記新技術のうち、スマホを爆発的に普及させたスティーブ・ジョブズの 才能はやはり素晴らしい。
スマホの U/I はやはり優れている、と今更ながら僕も思う。 後は、通信料と消費電力の問題が解決されると言うこと無いのだけど…。
それと、今のスマホももちろん100点ではない。 従来のガラケーの囲い込みを破った(wifiの導入)ところが スマホの1つのブレイクスルーだと僕は考えていて、 今後は、某氏の言う「キャリアの『水道管屋』化」の進行が10年単位で 進むことになるのだろう。
この中で進む道は、やはり優れている新OSの導入で、 Android はその先陣を切ったけど、 Android の囲い込みもまたひとつの縛りでありそこが次世代技術の付け入るスキかと思う。
この業界は、面白くもあるけど、大変だ(苦笑)。